続♡プリンセス☆ロード
なに?
不良でもやってきて、誰かを探しているのか?
「こっちか?」
ふと教室の前で声が止まった。
と思ったら突然開いた教室の扉。
一斉に視線がそちらに向く。
そこには、黒髪の無造作に整えられた髪と、目つきは鋭く、左耳にはピアスをした男の人と、短めの髪をツンツンとセットし、後ろ髪より少しだけ長い前髪を横で分けた黒髪の男の子。
二人は、まるで物語に出てくる騎士のような服を着ていた。
不良じゃなくて、コスプレオタク!?
「あ!紗南ちゃん!」
短髪の少年が私を見てうれしそうに笑った。
いやいやいや、私知らないし。
ていうか、なんで私の名前知ってるわけ?
嬉しそうに私の側までやってきた少年は、ハッとしたように立ち止まる。
「そうだった、紗南ちゃん俺の事知らないんだった…」
シュンと肩を落とす少年。
なにそのかわいい捨てられた子犬みたいな態度。
「なんだ君たちは!授業中だぞ!」
呆気にとられていた先生が思い出したように注意する。
いやいや、遅いでしょ。
「すいません!少しだけ、待っててください!」
少年はそう言って頭を下げてる。
この少年、なかなか強い。