続♡プリンセス☆ロード
私は、とんでもないものを忘れてしまったんじゃないかな。
美由紀だって、浩太だって、私にそう訴えてたのに。
私、全く聞こうとしなかった。
だって、私にはわからなかったし。
消え去った半年間なんて言われたって、実感もなかったし。
ふと、自分が18歳だと思っていたことを思いだした。
どうして、私自分の歳を間違えたの?
たまたま?
…違う。
きっと、この彼が関係してるんだ。
わからないけど、わかる。
なんとなく、そう思った。
どれくらいそうされていただろうか。
ゆっくりと体を離されて、見上げた彼は泣いてはいなかった。
でも、確かに目は赤くて、私に泣き顔を見られないよう気を張っているんだとわかった。
不器用な彼。
もしかしたら、意地っ張りなんだろうか。
「…幸せで」
彼は、私にそう告げると踵を返して立ち去ろうとする。
「レン」
そんな彼を、私はそう呼びとめていた。