続♡プリンセス☆ロード
彼は、すぐに振り向き私を見る。
その瞳は、どこか期待を宿していて。
「あ…えと、…」
私が戸惑ってみせると、すぐにその期待は消え悲しみを宿した。
今、私が思い出したかもって嬉しくなったの?
だから、そんなに期待に満ちた瞳を見せたの?
でも、違ってがっかりした?
なんだか、求められているのは私じゃない気がして、少しだけ寂しかった。
「あなたの事、教えてください」
知りたいと思ったんだ。
私の知らないあなたの事。
そして、私の知らない私の事。
「ああ」
彼は、そう言って優しく微笑んだ。
なんとなく、知ってる気がしたんだ。
その微笑を。
思い出せはしないけど、知ってる気がしたんだよ。