続♡プリンセス☆ロード



「…信じられない」



知りたいと願って聞いてはみたけれど。
きけば聞くほど信じがたい話に耳を疑う。



彼らは異世界の人間で、だからこっちに戻ってくるときに時間がずれて私が18歳だと思ってたのはそのせいで。


で、私は救いの姫としてその異世界で魔王と戦って。
無事魔王を倒した後は、この彼と結婚して王妃になった。


でも、人魔という敵が現れて、私の記憶は消され、ここに戻された。





「いやいやいや、ありえないって」

「あり得るんだって!紗南ちゃん、信じてよ」

「…いや、信じてあげたいけどさ、そんな簡単に信じられる話じゃないでしょ」





だって、私がお姫様で、今や王妃さま?
似合わな過ぎる!





「…あ、そうだ。じゃあ、この指輪あんたたちの?」

「指輪?…いや、違うな」

「ふぅん。じゃあ、誰のだろう…」

「もしかしたら、人魔のものかもしれないな。お前をここに戻せたのは、そのせいかもしれん」





でもじゃあ、その人魔はどうして私をこの世界に戻したんだろう。
敵だったんだよね?
殺すわけじゃなくて、元の世界に戻した。
なんで?





「まあいいや。じゃあ、これはいつかその人に返しとく」

「は?お前、なに言ってんだ」

「なにって、なに怒ってるのよ」

「そんなもの、返す義理なんかないだろう。お前を、傷つけた張本人だぞ」




レンは苛立ちを露わにしながら私を睨む。




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