続♡プリンセス☆ロード
「わかったら、早く準備してよ」
「…本当にいいんだな」
「くどい!」
もう決めたんだ。
私だけが何も知らないままなんて嫌だ。
なんか、むかつくじゃん。
なんなら、めちゃくちゃにかき乱して、自分の記憶も取り戻してやるんだから!
「私、昔剣道やってたのよ!だから、腕には自信あるの!」
「ふっ…、知ってる」
レンはやんわりと笑う。
それは、とても愛おしそうに。
その表情を見て、不覚にもドキッとしてしまった。
…違うのに。
あの笑顔は、私に向けられたものじゃないのに。
私の知らない私に向けられた……。
ズキン。
なんでだろう、胸が痛い。
こんなにも、胸が苦しいのは、なぜ?