続♡プリンセス☆ロード
第18話 『お前に、記憶があってもなくても、俺の気持ちは変わらない』
「ほんとだったんだ…」
見上げるのは、見たこともない城。
中にはいると大きなシャンデリアと、螺旋階段。
テラスから見渡す町並みも、ビルもコンクリートもない景色。
案内された私の部屋だというその部屋には、大きなベッドに、アンティークの家具。
本当に物語に出てくるお姫様の部屋、そのものだった。
「私、こんなところで暮らしてたの?」
どんな顔して暮らしてたわけ?
ちゃんと堂々としてたのかな?
しどろもどろで、みっともない姿見せてたりして…。
ありうる…。
「ちゃんと、王妃さましてたよ。安心して」
「…それが信じられないのよ」
確かに、ここに来るまでにすれ違ったメイド服を着た人たちとか騎士の格好した人たちには深く礼をされてなんだか居心地悪かったけど。
ああいうの、慣れないからなんだか変な感じだ。
「なんか、思い出せそう?」
「え…?あ、ごめん…まったく」
ミナトが伺うように聞いてくるのに、私ははっきりとそう答えた。
ウソついても仕方ないしね。
ミナトは少ししょんぼりと肩を落とす。
「…この部屋、紗南ちゃんの部屋だから自由にしていいよ。ご飯の時に呼びに来るから、それまでゆっくりしてて」
「うん」
「それから、危険だから、勝手に外に出たらだめだよ」
「わかった」
ミナトは少し心配そうな顔を見せ部屋から出て行った。