続♡プリンセス☆ロード
「あ…、そう言えば…」
「って、知ってるの?」
なにそれ!
この子のうっかりなわけ?
でも、とても思いつめている風だったし、きっとそれくらいの事があったんだろうな。
「…えと」
「シオンです」
「ああ、ごめんね。シオンくん。城の中、案内してくれないかな?」
「え…?」
シオンくんにそう頼むと、シオンくんは戸惑った顔を見せる。
変な事頼んじゃったかな?
「俺…、一度紗南さまを危険な目にあわせてしまってるんです…。なんで、俺一人でお供するわけには…」
「…そうなの?私は、気にしないけど…」
「いえ、もしまた何かあったら…レンさまに顔向けできませんから…」
怒ると怖そうだもんね、あの人。
でも、今の私がどうなったところで、あの人はなんとも思わないと思うけど。
彼が想う“紗南”と私は別物って切り離したみたいだし。
「わかった。じゃあ、私一人で行くね。ありがとう」
「え、あ、あの!」
「なあに?」
「一人で行かせるのは…」
もう、どっちなのよ。
私はじとっとした視線を送る。
シオンくんは困ったように視線を泳がせた。
「わかりました。…お供します」
「うん。お願い」
諦めにも似た声でシオンくんが呟く。
私はどっちでもいいんだけど、シオンくんが来たいっていうんだから、仕方ないよね。