続♡プリンセス☆ロード
「リュウは今、一国の王なんだよ。でも、俺たちの国が危険な時には一番に飛んできて助けてくれてた…。リュウにはリュウの国があるから、本当は頼りすぎちゃいけないのにね」
「だから、黙ってたの?」
「そう。リュウは、紗南ちゃんが爆発に巻き込まれたことも、人魔に浚われて記憶を消されたことも…レンが刺されたことも知らないんだ」
それって、知った時にショックを受けるんじゃないの?
そう思ったけど、言えなかった。
きっと、思い詰めた末の決断だったんだろうから。
「きっと言えば、また国を放り出して俺たちを助けてくれようとするんだ。…いつまでも、頼ってたらダメだから」
「そっか…。その気持ち、わかってくれるといいね」
そんな事を話していると、バタバタと慌ただしい足音が聞こえてきた。
その足音は、まっすぐにこの部屋に向かってきている。
「紗南!」
勢いよく開けられた扉。
その向こうには、息を切らしたリュウの姿。
レンから聞いたんだろう、リュウの向こうには、苦い表情のレンの姿も見える。
「お前…、ほんとに、忘れちまったのか?」
私の肩を掴み、まっすぐと私の瞳を見据えてそう言う彼。
私は、その勢いに押されてしまいそうになりながら、彼の目を見つめ返した。
「…ごめんなさい」
そう、謝るしかなかった。
こんな風に言われるたびに思う。
どうして忘れてしまったんだろうって。