続♡プリンセス☆ロード
「紗南…、お前が、あいつを呼んだのか?」
レンがハッとしたように私を見た。
そして、その視線が私の指先を見た時、それを確信したんだろう。
「…確かめたいの。何が真実で、なにが嘘なのか。そして、思い出したい!私が忘れたこと、全部!」
「思いだしたい…だと?お前は、元の世界でなに不自由ない暮らしに戻ったはずだろ!なにを思い出したいっていうんだ!思い出さなくたって、お前は幸せだろう!」
確かに、そうだった。
友だちがいて、家族がいて。
それが当たり前の生活で。
でも、私の名前を切なそうに呼ぶ人たちがいるって知った。
私の知らない思い出がここにはあるって知ったんだ。
それが、もしウソだったとしても。
知りたいって思ったんだ。
本当の事を。
「お前が望んだんだ!すべて忘れたいって!」
「ウソ!」
「レンが死んだ世界なんて、生きていても仕方ないって!お前が忘れることを望んだんだ!」
ドクン!
―…いいこと、教えてあげようか?
―レンね、死んでたよ
頭の中で、声がする。