続♡プリンセス☆ロード
「新人の使用人が、王妃さまに大変な失態を…。王妃さまに自分の仕事を任せるなど…」
「え、いえ、違うんです…」
「そのうえ、王妃さまにケガを負わせ…。その腕の傷跡が残りでもしたら…ああ、もうどうしたらいいか…」
腕の傷。
そんなこと、大したことではないし。
死ぬかもしれなかったと言われても、現実は生きているし。
そもそも、自業自得だ。
「あの使用人にはきつく言って聞かせます!ですから…」
「ちょっと待ってください!違いますから!」
「紗南、落ち着け」
落ち着いていられますか。
これじゃあまるで、ユキちゃんのせいみたいじゃないか。
これが逆だったら、例えばユキちゃんが上がっていて落ちたのなら、それは気をつけろで済んだ問題かもしれない。
でも、こんな私でも、この城の主の妃なんだ。
その王妃にケガをさせたとなると、ユキちゃんの立場はどうなるんだろう。
その上、ユキちゃんはまだ入って日が浅い。
最悪、切り捨てられてしまうんではないだろうか。
それだけは、避けなければならない。
「だって、違うのよ!ユキちゃんは、なにも悪くない!私が、私が…」
「わかってる。だから、落ち着け」
「でも!違うの!私が、…っ、無理やり代わってもらったの!だって、私だって、何かの役に立ちたくて…!だからっ」
「紗南さま!」
「わかったと言ってるだろう!落ち着け!」
「でも…っ、はぁ…っ」
私は興奮状態に陥り、そのまま意識を失った。
そんな私を抱きとめてくれたのは、レン。