続♡プリンセス☆ロード
「潜入さえできれば、運動能力は長けていましたし、一番隊になるのは容易かったですよ。復讐なんて、簡単だ。本当にそう思ってました」
ポロポロと溢れだした涙。
信じたくない。
ソウシの口から紡がれる言葉を、信じたくないよ。
「本当に、そう思ってたんですよ…」
ソウシが、グッと拳を握る。
「…でも…、皆さんに出会って…。一番隊として、行動を共にしていくうちに、いつの間にか、復讐の事なんて忘れてしまってました…」
「ソウシ…」
「紗南さんに出会ってからは、特に。紗南さんの笑顔に救われてしまったんです。他の、一番隊の人たちと同様に、紗南さんを守りたい、そう思ってしまったんです…」
ソウシの瞳から、一粒涙がこぼれた。
「このまま…、復讐なんて忘れて…。人間として、ずっとここにいられたら…。卑怯な僕は、皆さんを騙していることを棚に上げ、自分の幸せを守ろうとしたんです」
「…っ」
「ですが…、数か月前、僕の前に仁が現れたんです。…復讐の時が来た、と」
それが、あの言い争いが聞こえた時の事だろうか。
そう言われた時、ソウシはどう思ったんだろう。
復讐を忘れてしまいたいと願っていたソウシに突き付けられた現実。
「復讐なんて、もうしたくないんだと言いました。でも、仁は聞き入れてはくれず…。自分一人でも成し遂げてみせると…」
「紗南が飲まされた薬の事は…」
「ええ。仁に聞きました。絶対に、手出しはしないという条件付きでしたけど…」