続♡プリンセス☆ロード


「…何かを企んでいることも、想定内だった。仁の事までは考えは及ばなかったがな。それに、紗南の存在は想定外だった」

「私…?」

「ソウシが何かを企んでいるにしろ、危害を加えられるのは俺だと。ならば、なんとでも対処しようがあった…。まさか、紗南に接触してくるとは…。それは、俺の誤算だ」




もし、私がいなくて、レンに直接向かって行っていたとしたら、レン自身が対応するつもりで、ソウシを騎士として受け入れたっていうの?




「…でも、もっと早くにお前の口から聞きたかった」

「……何度か、レンに探られているような気がしてました…。そうですか…。あれは、チャンスだったんですね…」




ソウシは、乾いた笑いをこぼした。




「そんなチャンスも…僕は自分可愛さで…無下にしてしまったんです…。自分が犯した罪の償いは…死をもって…」





ソウシが、動く。
どこに隠し持っていたのか小型ナイフを取り出し、自分の喉に突き立てた。



「ソウシ!」




皆が叫ぶ。
一番ソウシに近かった私は、とっさに飛び出しそのナイフを握った。




「ダメ!ソウシ!」

「放してください!僕は!あなたの事も死なせてしまう所だったんです!」




ソウシと揉み合う。
思いっきりナイフの先を握ってしまい、血が滲む。
でも、離すもんか。
ソウシを、死なせたくない。






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