続♡プリンセス☆ロード
グ、と手に力を込めると、ナイフの刃が指に食い込んで赤い血が流れる。
苦痛に顔をしかめると、それに気づいたソウシがハッとして手の力を緩めた。
「紗南…さん…」
とても傷ついた顔をしたソウシ。
私は、唇を噛みしめ涙をこらえながらソウシを見つめた。
「ダメだよ!ソウシッ!死んだって、なんの償いにもならないよ!」
「…ですが…僕には、そうするしか…」
「ソウシには、生きていてほしい!私たちは、家族なんだよ!ミナトが言ってた…。レンがお父さんで、リュウがお兄ちゃん。ミナトは弟で私は妹。そして、ソウシはお母さんだって!」
「…家族…」
「家族は、誰か一人でもかけたらだめなの!」
誰も望んでない。
ソウシの死なんて、誰も望んでなんてない。
「そうだよ。誰がレンの暴走とめるの?俺、無理だよ」
「ソウシ、お前水臭いじゃねぇか!悩んでることあるなら、ちゃんと相談しろよ!」
「リュウ…ミナト…」
「俺たち、仲間なんだからよ!」
ソウシは、足から崩れ落ち、その場に座り込む。
ポタポタと落ちる涙。
「仲間と…言ってくれるんですか…。僕は、人間でもないんですよ…」
「俺だって、俺の親父は、悪魔だからな!同じようなもんだし」
「人魔だろうが、悪魔だろうが、人間だろうが。俺たちは、ソウシが好きなんだから、仕方ねぇだろ」
これまで過ごしてきた時間は、無駄じゃない。
確かに築き上げられてきた絆。
ソウシは、ここにいていいんだよ。