続♡プリンセス☆ロード
「…被害は、俺たちにしかない。紗南さえ許せば、俺はいい」
「私は、ソウシの事責めたりしないよ…。仁の事も…。確かに、すごく辛かったし、許せないって思ったけど…。苦しかった想いも、わかるから…」
皆、生きてるから。
生きてさえいれば、立ち直ることはできる。
許すことだって。
恨みや憎しみは回っていく。
どこかで、断ち切らなくちゃいけないんだ。
私は、誰も恨みたくない。
「なら、城の者は俺が何とかしよう」
「レン…」
「…俺を誰だと思ってる。この国の、王だ」
久しぶりに見た俺様なレン。
不敵に笑うレンが、頼もしく思えた。
「お前ら纏めて、しっかり俺について来い」
暖かい風が吹く。
こんな地下に風なんか吹くはずはないのに。
それでも、温もりを感じたのは、私だけじゃないはず。