続♡プリンセス☆ロード
story5 終結
最終話 『紗南、愛してる』
「いったぁい!」
医務室の中。
私の悲鳴が響く。
「当たり前だ、バカ」
レンの呆れ顔。
私は、ナイフを握った時にできた切り傷を手当てしてもらっていた。
指の関節のところと掌をざっくりいっていて、消毒がとても染みる。
「うううっ」
「…すみません、紗南さん…」
さっきから、何度目かわからないソウシの謝罪を聞きながら私は涙を堪える。
あの時は、必死だったから痛みなんてあまり感じなかったけど、終わった後冷静になるとものすごく痛く感じるのは、なぜだろう。
どうせなら、最後まで痛みを感じなければいいのに。
「できた」
「…ありがとう」
手当をしてくれたミナトにお礼を言って両手を戻す。
両手は包帯でぐるぐる巻きだ。
「紗南さんの生活の手助け、僕にさせてください…。僕のせいですから…」
「ありがとう…。でも、ソウシのせいとか、違うからね?あまり自分を責めないで」
逆に申し訳なく思う。