続♡プリンセス☆ロード
「もう…やめよう。仁…復讐なんてしても、何も生まれない」
「煩い!説教なら他でやれ!」
私の前に現れていた時の、冷静な仁はどこかに消えていた。
口調は荒く、苛立っているのがわかる。
私はズカズカと、近づいて行き、仁の前にしゃがみ込むとブリを付けて仁の頰を叩いた。
仁は、目を見開き私を見る。
「いい加減にしなさい!今のあんたは、ただ駄々をこねる子どもと一緒よ!」
「なんだと!?」
「本当はわかってるんでしょう!?こんなことしたって、意味ないって。心は浮かばないって!!そうやって、意地張るから、どんどん孤独になっていってるんじゃない!」
「…俺は」
「そうやってわがまま言うくらい、2歳の子どもでもできるわよ!」
「煩い!全部、ソウシが悪いんだ!」
仁が、叫ぶ。
思いの丈を。
「人間のフリして騎士になって、なんか楽しそうで。俺の事なんて、忘れたみたいに…!俺には、ソウシしかいなかったのに!」
「仁…お前…」
「復讐だけを考えていれば、そんな寂しさもまぎれた。一人じゃないって、思えた!」
肩で息をする仁。
ため込んでいたものが、すべて出た。
私は、そっと仁に近づくとその体を抱きしめる。
「うん。…うん…。大丈夫、仁は一人じゃないよ」
私も、そう言ってもらいたかった。