続♡プリンセス☆ロード
「…辛かったわね」
「いえ、…私には、今生きる目標がありますから」
「生きる目標?そうね。生きる意味があれば、人は生きていけるね」
ユキちゃんの瞳には強い意志が見えた。
でも、それがどんな意思だったかなんて、この時の私に走る由もなかった。
「それより、ユキちゃん。さっきから言ってる、私なんか、ってやめない?」
「え?」
「“なんか”って自分の価値を下げるような言い方、やめようよ」
ユキちゃんだけじゃない、他の使用人たちにも言えることではあるけれど。
私なんかが、おこがましいとか…。
私もユキちゃんも、元は一人の人間。
違いなんてないのに。
ただ、王妃という身分があって、ただ立場が違うだけ。
簡単にそれだけと割り切れない気持ちもわかる。
「私とユキちゃんの立場が違うのはわかる。でも、それで自分を謙るのは違うよ。ユキちゃんは立派な一人の女の子なんだから」
「王妃さま…」
「それにね、こんなにも話をしたんだから、私たちもう友達も同然よ」
にっこり笑ってみせると、ユキちゃんは戸惑いを見せながら微笑んだ。
生き苦しいと思う。
“友達”だと言ったところで、きっとユキちゃんはそんな風に思ってはくれないのだから。
主と雇われる者。
そう言う関係である以上、それは、無理な話。
つくづく、わかっていることじゃないか。