続♡プリンセス☆ロード
今日着るドレスは、ピンクを基調としたスレンダータイプのもの。
この日のために新調したものだ。
私は、持っている奴でいいと言ったんだけど、人前に出るのだからとレンの気遣いにより新しいものを作ることになった。
「お綺麗です、紗南さま」
「…ありがとう」
何度ドレスを着てその姿を鏡で見ても慣れない。
自分がまさか、どこかの国のお姫様、だなんて。
ずっと夢見ていたはずの世界にいるのに、いまだに実感がわかないのだ。
トントン
その時、扉をノックする音がして扉の方を向く。
「はい。ただいま紗南さまはドレスへの着替え中にございますが…」
メイドの一人が対応してくれる。
誰だろう…。
「ああ、すまない。レンだ。着替えの最中だとは知っていたのだが…、今戻ったんでな」
「あ、王様でございましたか!申し訳ございません!」
レン?
わあ!
帰ってきたんだ。
レンは、今日もぎりぎりまで出かけていたのだ。
今日は、悪魔の大陸へ赴き、魔王であるロイドとの会合だったはず。