続♡プリンセス☆ロード
ミナトの件で騒然となっている城内を抜け出すことはそう難しくなかった。
私はいつか教えてもらった抜け道を使って城下に降りた。
あの場所を狙える場所なんて、限られている。
高台にある城の、中腹にあるテラスだ。
そこを狙えるのはそこよりも高い位置にある場所。
それは、城から少し離れたところにある塔。
その塔は国民に解放されている城下を見渡せる絶景ポイントだ。
でも最近は塔の老朽化により立ち入り禁止となっていると聞いた。
誰も近寄らない場所、それは狙撃には適しているはず。
いったい誰が、なんの目的でこんなことをしたのか。
その目的をつきとめなければ。
正直怖い。
相手が何者なのか、わからない。
敵なのは確かだけど、それが悪魔なのかはたまた人間なのか…。
正体のわからない相手に、恐怖を覚える。
「ついた…」
普通に考えれば、あの襲撃から時間がたっている。
もう、こんなところにとどまっている可能性なんて低い。
でも、もしかしたら何か痕跡は残っているかも。
手がかりの少しでも残っていれば…。
そんなわずかな可能性にかけ、立ち入り禁止の柵を乗り越え中に入った。
中は螺旋階段になっていて、ゆっくりと階段を登っていく。
その長い螺旋階段の終わりが見えてきたとき、そこに人影を見つけた。
「誰!?」
私は片手でネックレスを掴んで叫んだ。