続♡プリンセス☆ロード




紗南の姿がない。
その報せを受けたのは、紗南が城を飛び出して少ししてだった。

ミナトのいる医務室にいたレンとソウシは、その報せを聞き立ち上がった。




「部屋を訪ねたのですが、姿が見当たらず…」

「城の中をよく探せ」

「はい。手分けをして探しているのですが…」

「どうかしたか」

「あの、ネックレスも、なくなっているのです」

「なに?」



旅が終わり、悪魔とのことに区切りがついてから、自分が戦うことはもうないと、鍵のついたケースに大切に保管していたはず。
それは、一度鍵をかけてから一度たりとも開けられたことはなかった。

それは平和の象徴でもあり、平凡な日々を取り戻せたという証なのだと…。



それが、そのカギが開けられネックレスもなくなっていたとは…。



「レンさま」

「…あのバカ」





言いようのない不安に駆られる。
旅をしていたころは、突拍子もなく無茶なことをする奴だったことは重々知っていたはずだったのに。
だからこそ、自分がしっかりと彼女を守らなければと何度も誓った。



平凡な日々を、彼女自身望んでいたことだったはずだ。
だから、変に心配などかけたくなかった。
今回の事も、どうにか穏便に事を済ませ、紗南を巻き込みたくなどなかったのに。





「探しましょう!そう遠くへはいってはいないでしょう」

「ああ」




ソウシがそう言うのに、レンは気も漫ろにそう答えた。




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