続♡プリンセス☆ロード
もう、紗南を危険に巻き込むのは避けたいと、なるべく仕事の話はしてこなかった。
まだ、悪魔と人間との間の溝は埋まらず、あちこちで抗争が続いていることも。
紗南に、余計な心配をかけるのは避けたかったのだ。
知れば傷つき、胸を痛めるだろう。
それだけではない、自分も何かがしたいと飛び出してしまうかもしれない。
そんな中のこの事件だ。
ミナトを襲ったのか、それとも…。
普通に考えれば、おそらく紗南を狙ったに違いない。
それなのに、紗南はミナトの心配ばかり。
今にも、無茶をしそうだった。
落ち着かせたくて、あんなことまで…。
レンは自分の手を見る。
「レン、しっかりしてください。後悔は紗南さんを見つけてからです!」
「…わかっている」
わかっている。
必ず、見つけ出す。
そして無事に…。
「もしかしたら、紗南さんは、自分で突き止めようとしたのかもしれません」
「…ああ。だとしたら、行くところはあそこしかない」
二人が襲われた場所や方向から推測すれば、そこだけしか思いつかない。
きっと、紗南もそれに気づいたんだろう。