続♡プリンセス☆ロード
今は使われていない古い塔。
近々取り壊し新しいものを作る予定だった。
ここからなら、あのテラスを狙える。
ここに、いるのか?
もし、敵と鉢合わせていたとしたら…。
残酷な想像が頭をよぎる。
「行きましょう」
覚悟を決め、足を進める。
どうか、と情けない願いを抱きながら。
塔の一番上に差し掛かった時、踊り場に倒れる人影を見つけた。
それが紗南だと、すぐに気付く。
「紗南!」
「紗南さま!」
慌てて駆け寄り抱き起すと、息をしていることにホッと胸をなでおろした。
しかし、とても苦しそうな息だ。
立て続けにケガをして、精神的にもボロボロで仕方がない…しかし、本当にそれだけか?
「レンさま!これ…」
剣の形状を保ったままの紗南のネックレスをソウシが持ってくる。
レンはそれに目を見開く。
剣に形を変えているということは、ここで何かがあったということか…。
紗南は、自分たちを襲った人物と対峙したということか?