続♡プリンセス☆ロード
「紗南!しっかりしろ!」
レンの声は、虚しく響くだけ。
紗南には、届かない。
馬乗りになった紗南は、レンの腰から剣を抜き取り、そのままレンに突き出した。
ギリギリでよけたレンの顔の横に突き刺さる剣。
その瞬間、紗南の身体から殺気は消え、バタンとレンの上に倒れこんだ。
「はぁ…」
「レンさま!無事で?!」
「ああ…」
動揺を隠せない。
紗南が、レンを襲うなんて。
それは、何か裏があることはわかっていたが、その心境は複雑であった。
レンの身体の上で静かに寝息を立てる紗南。
その体は、とても無理をしているようでボロボロだ。
そっとその体を抱きしめる。
「すまない…」
また、守ってやれなかったのか…?
結局、巻き込んでしまうのだろうか…。
俺は、紗南を……。
幸せに、できないのか。
「レンさま…」
その姿を、ソウシは苦しそうに見つめていた。