続♡プリンセス☆ロード
ふいに頭をよぎる。
私の部屋の床にできていた真新しい傷。
レンは、自分が剣の手入れを寝ている私の側でしていたら手が滑ったのだと言っていた。
でも、もしあれが…私のせいだとしたら。
よく考えれば、レンが私の部屋で剣の手入れなんてしない。
いくら、私の側にいるためだとしても、剣の手入れだけは集中したいからと一人でするはず。
それに、レンが手を滑らせるなんて、考えられない。
「レン…、あの傷も…私がしたの…?」
「…なにを、言ってる。あれは俺が…」
「ウソ。そんなはずない!」
身体を起こし、少し枯れた声で詰め寄る。
叫びすぎて喉が痛い。
レンは、ウソをついている。
私の目をまっすぐ見てくれない。
「やっぱり…私がしたんだ…」
「違う!忘れろ、あんなこと!」
「忘れろって?あんなことって何!?私は、なにをしたの!」
しまった、とでもいうように口を閉ざすレン。
私の知らないところで、何かが起こってる。
怖い、怖くてたまらない。
―威勢のいいのは、いいけれど。いつか身を滅ぼすよ?
妖しい笑みが、頭によぎる。