続♡プリンセス☆ロード



「レン…紗南さん、人魔に何かをのまされたそうです」

「なに…?」



初めて聞かされた事実。
ソウシは、なにを思い今まで黙っていたのか。




「…もしかしたら、昨日の事も、今朝の事も…何か関係が」

「なぜ、今まで黙っていた?」

「それは…」

「どうしてすぐに報告しなかったんだ」





苛立ちをぶつけても、仕方がないことくらいわかっているのに。
それでも、何かに当たらないといられなかった。





「…すみません」

「いや…、悪い…。俺が聞こうとしなかったのだな」




すぐに飛び出し、一番隊を連れ調査に出た。
それは、紗南を救いたいからという思いと、じっとしていれば余計なことを考えてしまうから、という不純な思いだった。

結局、なんの手がかりも掴めず戻ってきたのだから。




「俺は…、王には向いていないのかもしれないな」

「そんなこと!」

「自分の想う者すら、守れない。そんな男に、何が守れるというのか…」




こんなにも苦しむ彼女を見ていることしかできない。
それが苦しくて、もどかしくて、悔しい。




守りたいと願えば願うほど、もがき苦しむ心。




< 68 / 310 >

この作品をシェア

pagetop