続♡プリンセス☆ロード
「はっ、こんな簡単に行くなんてね」
「っ!?」
突然聞こえた声に肩が震える。
その声には、聴き覚えがあった。
すぐにうかぶ、消し去りたい顔。
「やあ、二回目まして。王妃さま?」
「あ、なた…。どうやってここに!?」
ここは、私の部屋。
城の高層階にあるはず。
それでも、いつの間にか窓は開いていて、それはそこから入ってきたことを知らせる。
そうだ、この人は人魔で、身体能力は悪魔並みなんだと言っていた。
ならば、この場所まで来るのはそう難しくもないのかもしれない。
「お前たちが、壊れていくの、傑作だな」
「なにが、言いたいの」
「愛する者に、襲われる絶望。そして、自分が自分じゃなくなる不安…。そんなところ?」
「…っ!」
可笑しそうに笑う仁に、私の心は乱されていく。
愛する者に、襲われる絶望…。
やっぱり、私がレンを…。
「殺そうと、したの…」
「なに?教えてもらえなかったの?言えなかったのかな?残酷だもんね」
「どうして、どうしてこんなことするの!」
そう叫ぶと、さっきまでへらへらしていた仁の顔から表情が消える。
酷く冷たい顔で、私を見ている。
「復讐」
そうとだけ告げると、すぐにさっきまでのヘラヘラ顔に変わった。