続♡プリンセス☆ロード
「でも、酷い人だよね、王様は」
「…っ!」
「少し、拒絶しただけで、あんな傷ついた顔をして君から逃げたんだ」
「煩い!」
「王様が、逃げなければ、俺がここに来ることもなかったのに」
諭すように、穏やかな声で話す。
それが異様に私の心にまっすぐと入ってくる。
聞きたくなんてないのに。
「もう、迷惑だと思ってるんじゃない?」
「煩い!」
「突然、自分を襲ってくる君の事、もう面倒くさくなったんじゃない?」
「やめて!」
「満足に、キスもさせてくれない君の事…もう、いらないのかな?」
「嫌あ!」
耳を塞いでも、聞こえてくる囁き。
そんなことないと、そんなはずないと、否定する。
「本当?まっすぐ、目を見てくれた?」
目…?
「君に、笑いかけてくれた?」
レンの笑顔…最近、見ていない…。
「大好きだよって、言ってくれた?」
言って、くれない―――…。
私の瞳から、涙が一筋流れた。