続♡プリンセス☆ロード
「ミナト、よかった」
「…俺。あれ…、どうして…?」
「何者かに襲われ、ケガを負って、ずっと意識が戻らなかったんだ」
レンは、私たちを襲ったのが、あの人魔だということはとりあえず伏せて話をした。
突然一気に言われても混乱するだけだものね。
とりあえず、身体を治す方が先決だ。
「そ…か…。紗南ちゃんは、…ケガ、してない?」
「…うん。ミナトが、守ってくれたよ」
「…そか、よかった…」
こんな時でも、私を心配してくれる。
ミナトの優しさ、私は知ってたのに。
私のわがままで、戸惑わせてしまったんだよね。
今、ミナトが紗南ちゃんって呼んでくれているのも、あの事件の前に私が話したことがあるからなんじゃないかって…思うんだ。
「ごめんね…。ありがとう…」
「…守れて、よかった」
「うん…」
本当に、よかった。
ミナトの意識が戻らなかったらどうしようかと思った。
ふとレンを見ると、嬉しそうな表情の片隅に、ただならぬ不安を見せていたんだ。
「身体が完全に治るまで、しばらく任務を降り、静養に励め」
「…すいません」
「気にするな。元気になったら、しっかり働いてもらう」
「はい」
レンは無理して明るく務めている。
なんとなく、そう思った。