続♡プリンセス☆ロード
「紗南、いるか?」
ドアの向こうから呼びかけられ、ドアの方を向いた。
その声は、私が間違えるはずがない、大好きなレンのもの。
「いるよ」
「…はいる」
私は開いていたノートを閉じ、引き出しにしまった。
開いた扉の向こうからレンが顔を覗かせる。
「レン、どうしたの?最近、よく会いに来てくれるね」
「…当たり前だろ?」
「えー?忙しくて、全然城にいなかったのに」
なんか、変なの。
嬉しいんだけどね。
「ミナト、意識が戻ってよかったね」
「ああ」
「明日も会いに行かなきゃ」
「そうだな」
「…ねぇ、人魔の事何か分かったの?」
「…いや、まだ調査中だ」
尋ねれば、レンは少し困ったようにそう言った。
私が一度会った仁という人魔。
結局目的なんてわからなかったけど。
また、襲ってくるかもしれない。
「…紗南はなにも心配しなくていいから」
「なんか、変なレン」
いつになく、優しいの。
私を割れ物に触るみたいに。