続♡プリンセス☆ロード
「紗南さま、お出迎え紗南さまが直々にしていただかなくても…」
「え?いいのよ。だって、皆遠いところからはるばる来てくれるのに。私だけ楽なんてしていられないわよ」
レンだって、会場ですでに来られた人たちの接待をしている。
王同士の深い話もあるだろうし、私が側にいないほうがいいことだってある。
だから、私はこうして会場に入る扉の前で来られる方を笑顔で迎えることくらいしかできることはない。
「気を使ってくれてありがとう。大丈夫だから、持ち場に戻って?」
「は、はい…。では…」
王妃が直々にこんなところにいるのは下の人にとってはやはり気になるものなのだろう。
その気遣いだけで十分。
「紗南さん」
「…あ、ソウシ」
レンの側近として働いているソウシとは、近くにいるはずなのになかなか会う時がない。
レンの一番側にはいるけれど、レンが私のところに来るときにはソウシはソウシの仕事があり外れていることが多いのだ。
だから、なんだか久しぶりに思える。
「メイドたちが困ってましたよ」
「え?」
「王妃にあんなことをさせてしまって、立場がないと」
「ええっ?ウソ、本当?」
まさか、逆に怒られてしまったのかしら。
もしそうなら、申し訳ないわ。