続♡プリンセス☆ロード
次の日、目を覚まして見ても、変わった様子はなかった。
よかった、何も起こらなかったみたい。
ホッと肩を下ろす。
「目が、覚めたか?」
「レン…」
レンは、机に座り何か調べ物をしていた。
私はベッドに寝たままその様子を眺める。
「ねぇ、レン…。公務は?」
「…しばらく、代理の者に任せている」
「大丈夫なの?」
「ああ…。ちゃんと、説明はしてあるからな」
「そう…」
私としては、レンと一緒にいれるのは嬉しい。
今まで、こんな風にゆっくり一緒にいれることってあまりなかったから。
レンが、王の任務に慣れてきて、いろいろと落ち着けばと、その時を待っていたけれど。
「紗南。…お前は、後悔していないか?」
「え…?」
「ここに残ったこと…」
突然、なにを言い出すの?
後悔なんて…。
「ここのところ、この事件が起こる前も、紗南はどこかうかない顔をしていた」
「…そんなこと」
「あの頃の、旅をしていたころの紗南では、なかった」
無邪気でいられたあの頃。
姫だとか言われても実感はなくて。
ただ、側にいたくて一緒にいたくてそこにいた。
今は、仮にも王妃という肩書ができて、周りも自分自身も変わっていくことについていけなくて。