続♡プリンセス☆ロード
「リュウ!どうしたの?」
その日の昼ごろ、城を訪ねてきたのはリュウだった。
しかも、従者も連れずただ一人で。
王様が普通する?
「よお、紗南!元気だったか?」
「うん。元気だよ」
私は笑って答える。
本当は、元気、ではないけれど、余計な心配かけたくないしね。
だって、きっとすぐに自分の国に戻ってしまうんだろうから。
でも、リュウだけは今まで通りに接してくれる。
それは、リュウが王様っていう立場になったからなのかもしれないけれど。
「なんか、懐かしいなーここ」
「ふふ、当たり前だよ。リュウはずっとここで過ごしてたんでしょう?」
「ああ。最近は自分の城にも慣れてきたんだけど、やっぱ落ち着き感が違うわ!」
ここのところ、ドンヨリと暗いこの城内に、明るい光が入ってきたみたい。
リュウの抜けるような明るさが、周りを笑顔にさせる。
「レン」
「…ああ」
「…よし。紗南、ちょっと城を案内しろ!」
「案内って、知ってるでしょ?」
「おいおい、遠路遥々来たんだからもう少し歓迎しろよ」
「してるよぉ」
なにやらレンとリュウは顔を見合わせると、次の瞬間には表情をパッと変えたリュウが私を引っ張って連れていく。
もう、強引なんだから!
「王様は、どう?」
「紗南は、会うとそればっかだな」
「だって、リュウが王様って不思議なんだもん」
「…頑張ってるよ」
そうだよね。
頑張ってるよね。