続♡プリンセス☆ロード
「リュウ、すまない」
「いや、いいってことよ」
「お前のおかげで、紗南にも笑顔が戻ってきてる」
紗南をソウシに任せ、レンとリュウはテラスに出ていた。
レンから、伝書鳩を受け取り今の様子を聞いたリュウは、すぐに馬を飛ばしやってきたのだった。
羽を伸ばしに、というのは紗南への口実。
紗南の様子を心配し、すべてを投げ出してきたのだ。
「…紗南を、そんな目にあわせるやつを、俺はゆるせねぇ」
「ああ」
「だけど、俺はもうこの国の人間じゃないから、むやみに口をはさめない…」
「わかってる」
「だけど、紗南のケアは任せとけ!なにも知らない俺の方が、紗南も忘れられるだろ」
「ああ…。頼む…」
レンは深く頭を下げた。
そんなレンを見てリュウは、頭をかく。
「レンが、紗南のためにそんな風に頭を下げるなんてな」
「…俺の弱さが招いた結果だ」
「そうやって、自分のせいにするところは、相変わらずだけど?」
「必死に、敵の姿を追っても、掴めない。その存在が、消えたかのように…」
気持ちばかりが焦る。
焦れば焦るほどうまくいかない。
「ほんと、紗南の事になると、弱いよな」
「…怖いんだ。あいつが、壊れてしまいそうで…。泣いてばかりいる」
「…お前のせいじゃないぞ?」
「紗南に、拒まれることも…怖い」
それが、たとえ紗南の意思ではなかったとしても。