続♡プリンセス☆ロード
次の日、私は一人でテラスにいた。
皆、いろいろと忙しくしているから、声をかけるのは申し訳なくて。
「一人ぼっちの、お姫様」
「…っ!」
その声に、ゾクリ、と体が震える。
私の身体を、恐怖が支配する。
「…俺の声、覚えてくれたみたいで、嬉しいよ」
「あなたっ!」
「君にとっては、二回目まして?かな。でも、本当は三回目なんだけどね」
「どういうこと…?」
テラスの手すりにヒョイッと座る仁。
私は、距離を取り睨みつける。
私とこいつは、前に一度しか会ってないはずだ。
「催眠で、忘れてもらったってわけ」
「え…?」
「前と違う催眠をかけたからね。どう?今回の催眠は?」
なにを、言っているの?
私が、レンを襲ってしまったのは、こいつのせい…。
あれは、催眠だったの?
催眠で、私は忘れている記憶があるってこと?
「前は、襲った記憶はなかったけど、今回は襲っている時の記憶もある。どう?仲間を襲う気持ちは」
「もうやめて!」
「しっ、大声出すと、人が来ちゃうでしょ?そうなったら、あんた殺さないといけなくなっちゃう」
「…どうして、こんなことをするの」
こんな、回りくどいこと。
こんなことしなくたって、正々堂々と戦えばいいじゃない。
こんな‥‥、こんな…。