月と太陽と猫かぶり。
第一話
教室
春の日差しを浴びて暖かくなった机。
肘をつきながら黒板を見る。
静かな先生の授業をよそにクラスはザワめいている。
教師も教えるのを諦め黙々と板書していた。
「黎。」
可愛い声が耳をかすめる。
「穂乃。どうしたの?」
いつも通りの笑顔で聞く。
「ほの、つまらなくなっちゃった。お話ししよっ。」
穂乃の後ろからは澪が顔を出していた。
「じゃあ、王様ゲームでもしよっか。」
そう言ってメモ帳を切る。
「じゃあ、俺もいれて!」
そのメモ帳を取り上げて番号を書き入れられる。
「萩田。字汚いんだから書くなよお。」
斜め後ろに身を乗り出しながら笑う。
「残念もう書いちゃった。」
舌を出しながら笑うそいつはまるで太陽のようだった。
「燈。」
その太陽の笑顔を遮ったのは月。
隣の席を見るともう萩田を睨んでいたその瞳はノートに戻っていた。
「なんだよ葵。やりたいならやりたいって言えばいーじゃねえか。」
「はあ?まずお前と一緒の事をやりたくない。」
三野はまるで月のような冷たい瞳をしている。
太陽と月はどうやら犬猿の仲らしい。
肘をつきながら黒板を見る。
静かな先生の授業をよそにクラスはザワめいている。
教師も教えるのを諦め黙々と板書していた。
「黎。」
可愛い声が耳をかすめる。
「穂乃。どうしたの?」
いつも通りの笑顔で聞く。
「ほの、つまらなくなっちゃった。お話ししよっ。」
穂乃の後ろからは澪が顔を出していた。
「じゃあ、王様ゲームでもしよっか。」
そう言ってメモ帳を切る。
「じゃあ、俺もいれて!」
そのメモ帳を取り上げて番号を書き入れられる。
「萩田。字汚いんだから書くなよお。」
斜め後ろに身を乗り出しながら笑う。
「残念もう書いちゃった。」
舌を出しながら笑うそいつはまるで太陽のようだった。
「燈。」
その太陽の笑顔を遮ったのは月。
隣の席を見るともう萩田を睨んでいたその瞳はノートに戻っていた。
「なんだよ葵。やりたいならやりたいって言えばいーじゃねえか。」
「はあ?まずお前と一緒の事をやりたくない。」
三野はまるで月のような冷たい瞳をしている。
太陽と月はどうやら犬猿の仲らしい。