晴れ時々@先生の妹【第2巻】


当然、メイド役の方が人気がある。



理由は、文化祭の日、メイド役は可愛い髪飾りに衣装が着られる。



それに、その日だけは必要なクラスやクラブで派手でなければ化粧が許されるからだ。




フラダンス部や日舞クラブ、そして演劇部は毎年部員達が化粧をして舞台に立っている。




二戸 梨杏が頬杖をついてぼっーとした顔で黒板を見つめている。




気に入らないなぁー。




別に、決まらなかったからって、“フリマ”の上にあんなに長い斜線を書かなくても……。




メイド喫茶、ちょっとイヤダ。




私、初対面の人と話すの苦手であまり得意じゃないし。




それに、皆、可愛いって言ってるあのフリフリの衣装、私、絶対に無理、着たくない。




メイド役のセリフ、「ご主人様、もえもえキュンキュン………」




恥ずかし過ぎて、言えないよ。



もえもえダンス、何それ?



私、踊れない。



絶対に、デキナイ。



だから、私、やるんだったら絶対に裏方で十分。



しかし……、中村先生の怒ってる顔が怖いよ。




怒ってばかりいると、せっかくハンサムな顔の眉間に深いしわが残っても、知らないよ。

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