晴れ時々@先生の妹【第2巻】


走って、走って、走り続けた二戸 梨杏。




学校の裏側の公園にある土管の中に身を丸くして隠れている。




荒くなった息が徐々に落ち着いてくる。





途中で転んで擦りむいた膝を手で擦る。





「あぁっー、痛っ……痛い……」




一人になったけれど、心細くなり始める二戸 梨杏。




メイド役をやりたくなくて。




中村先生に見られたくなくて。




逃げちゃった。




中村先生、きっと今頃怒ってるだろうなぁー。




私、帰る場所、どうしたらいい。




学校にも、家にも、中村先生がいる。




公園の土管の中、新居にする?




狭いし。



薄暗いし………。



ここに、住めないよ。

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