晴れ時々@先生の妹【第2巻】
そんなことを考えてぶつぶつ言っていると、
中村先生が土管の縁に手をかけて中を覗き込み「やっと、見つけた……」と安堵の表情を浮かべる。
「な・中村先生……」
中村先生が心配をして私を探してくれていた。
「お前、走るの、早すぎだ。あちこち、探したぞ」
「ごめんなさい……」
「そこから、出てこいよ」、と中村先生が手を差し出す。
先生の大きな手の平に自分の手を重ねて、そのまま体を引き寄せられ、強く抱き締められた。
「ったく、お前。あんまり、俺に心配をかけるなよ……」
「中村先生」
先生が私のことをどれくらい心配をしてくれていたのか、抱き締める腕の強さで私はそれがわかった。
「なぁ、帰ろう、学校に──」
先生に優しくそう言われると、自然と素直な自分になってしまう。
「──はい」
学校へ戻る道中、中村先生は私の手をずっと強く握って繋いでいてくれた。