晴れ時々@先生の妹【第2巻】
嬉しかったけれど、ひやひやしているのは私の方だった。
「先生と手を繋いでいるところをもし誰かに見られたら、どうするの?」
「べつに、俺はかまわないよ」
「どうして?」
「二戸がまた逃げたら困るから、って言えるから」
「私、もう逃げないよ」
「だめだ、油断できないから」
「先生、私のことを信用してくれていないんだ……」
「俺が、こうしてたいんだ──」
一瞬間を置き、心臓がドキンっと強く鼓動を打つのを感じた二戸 梨杏。
「えっ……」
「それじゃ、だめか──?」
先生に、そう真剣に聞かれて。
二戸 梨杏の顔が赤面し火照る。
──“だめ”だなんて言える理由がない。