晴れ時々@先生の妹【第2巻】
「……、はーい」
中村先生がそっとハンカチを差し出した。
二戸 梨杏の耳元で囁く。
「今朝のハニートーストの蜂蜜がブラウスの襟元についてる……。拭け」
二戸 梨杏が制服の上着の袖口を伸ばして赤面を隠し、片方の手でハンカチをそおっとゆっくり受け取る。
その様子が動物のナマケモノの動き方に良く似ていて、堪えきれずにクスッと笑う中村先生。
──また、二戸と一瞬だな。
進級できて、本当に良かった。