晴れ時々@先生の妹【第2巻】
壇上に上がっていく二戸 梨杏が中村先生と出会った頃を思い出している。
私は、今思うとあの頃の私は少し破天荒な女子高生だったと思う。
凄く辛くて、凄く苦しくて、ずっとどうしていいのか分からず、一人でもがいていた。
何もかもに嫌気をさして、めちゃくちゃだった私。
少し背伸びをして、突っ張っていることが格好いいことなんだと勘違いをしていた私。
見捨てられてもおかしくない、私。
この広い世界の中で、もう私はずっと一人だと思っていた……。
──だけど、
そんな私に温かい手を差し伸べて、救い出してくれたのは中村先生だった。
そして、私は中村先生に直ぐに恋に落ちた。