晴れ時々@先生の妹【第2巻】

壇上に上がっていく二戸 梨杏が中村先生と出会った頃を思い出している。



私は、今思うとあの頃の私は少し破天荒な女子高生だったと思う。



凄く辛くて、凄く苦しくて、ずっとどうしていいのか分からず、一人でもがいていた。


何もかもに嫌気をさして、めちゃくちゃだった私。



少し背伸びをして、突っ張っていることが格好いいことなんだと勘違いをしていた私。


見捨てられてもおかしくない、私。



この広い世界の中で、もう私はずっと一人だと思っていた……。


──だけど、


そんな私に温かい手を差し伸べて、救い出してくれたのは中村先生だった。



そして、私は中村先生に直ぐに恋に落ちた。

< 194 / 234 >

この作品をシェア

pagetop