晴れ時々@先生の妹【第2巻】
じっと立ったままの中村先生のシャツをぐいぐいと引っ張ってあたふたと慌てているいる二戸 梨杏。
「ねぇ、私、隠れた方がいい?ねぇ、ねぇ?一緒にいるところを見られたら絶対にマズイよね??」
「隠れる必要はいらない。黙って、俺の側にいろよ」
中村先生の一言でしゅんと静かになり大人しくなる二戸 梨杏。
玄関の扉が開ききって全開の状態になった。
拓夢が左の口の端から少し流れている赤い血を手の甲で素早く拭って拭き取り、目を細めてはにかむように笑った。
「ごめん、こんな時間に……」
「拓夢、何があったんだ?」
心配そうな表情の中村先生が尋ねた。