晴れ時々@先生の妹【第2巻】
拓夢は下駄箱の上に置いてある大きな飼育ケースが気になり、中にいる小春をチラッと見た。
「兄さん、エキゾチックな生き物が本当に好きなんだね。これっ、何ていう種類のカメレオン?人に全然なつきそうに見えないけれど、マジで可愛いの?俺なら、フェレットやウーパールーパーを飼うけれど……」
木にしがみついていた小春の顔が赤色に変わりキョロっと目玉を動かしてキリッと拓夢を睨んだ。
「来てそうそう小春の文句を言うなよ。早く、部屋ん中に入れよ。お前の怪我の治療をしてやるから――」
パンサーカメレオンに“小春”という名前を付けている事にお腹を抱えて大爆笑をしている拓夢。
「拓夢、笑い過ぎだろ。そんなに元気なら、直ぐに家へ帰れよ!まったく、お前ってヤツは――」
真顔になる拓夢。
「ごめん、兄さん!俺、身も心もボロボロで、誰かに癒してもらいたくて、ここに来たのに……――」