晴れ時々@先生の妹【第2巻】
拓夢がふーっと溜め息を吐いて中村先生にニッコリと優しく笑いかけた後「良かった!」と安心した表情を浮かべる。
そして、当たり前だろうという表情の中村先生も拓夢に笑い返した。
――無理矢理に作る笑顔ほど、心の痛む物はない。
ふんわりとした優しい笑顔の拓夢の口から、またもや爆弾発言が飛び出す。
「俺、梨杏ちゃんみたいな女の子がタイプかも。白いたまご肌にパッチリと大きい瞳、つぶらな唇、それにきょとんとした時の困った顔なんて、たまらないぐらい凄く可愛い――。ねぇ、兄さんも、そう思わない?」
なかなか返事をしない中村先生。
テンションが上がっていく拓夢に対して冷静沈着な中村先生。
――そうなんだ、俺も二戸 梨杏が困った時のあの顔が大好きなんだ。
あの顔を見ていると、もっと困らせてやろうと思い急にイジワルをしたくなる、……ほうっておけなくて、つい守りたくなるんだ。