晴れ時々@先生の妹【第2巻】
身なりを綺麗に整える拓夢。
「そんなバカみたいな校則、本当に真面目に守るヤツがいるの?俺は男女共学だから、そんな校則が全く理解できないね」
「校則を守らない人間がいたら、指導をするのが俺の生徒指導担当の仕事なんだ!」
拓夢、二戸 梨杏をお前にだけは譲りたくない!
中村先生に何を言われようと、余裕の表情の拓夢。
「まぁっ、俺の恋愛は自由でしょ。恋する気持ちにいちいち規則をつけていたら、人類そのうち、滅亡しちゃうって。兄さん、部屋上がらせてもらうよ!」
「おいっ、待てよ――……」
俺は、二戸 梨杏の今まで歩んできた人生や強い面や弱い面を拓夢よりも知っているんだ。
一緒に過ごした時間だって、当たり前だけれどお前よりも俺の方が長い。
まだ何も二戸 梨杏の事を分かっていない拓夢に、一瞬にして奪われる事など……、これっぽっちも考えたくない。
拓夢、お前とは絶対にライバルになりたくない。
――二戸 梨杏に近づくな、諦めろ!