晴れ時々@先生の妹【第2巻】
拓夢が二戸 梨杏の顔を覗き込んだ。
瞬時に下を俯く二戸 梨杏。
「うん、本当に……」
拓夢が静かに首を横に振る。
「普通、好きな人にしかこんな事はしないよ」
「そんなんじゃ……」
目に少し涙を浮かべて困った表情をしながら顔を少しだけ上げた二戸 梨杏。
「兄さんのこと、好きなんだろ?」
何が何でも二戸 梨杏の気持ちを確かめようとジリジリと迫る拓夢。
中村先生がさっきの二戸 梨杏の大きな叫び声を聞きつけて慌てて二人の側にやって来た。
「どうした――?」
中村先生が今にも泣き出しそうな顔の二戸 梨杏と目が合った。