晴れ時々@先生の妹【第2巻】



ドスンとソファーに腰掛けた拓夢。




「兄さん、手荒だなー!」


薬箱の中をガサガサとあさりながら話をする中村先生。



「あぁ、腹が減っていて少々イライラしているかもな俺?」




「ならっ、俺の治療をしてくれるのは優しそうな梨杏ちゃんの方が良いよ!」




拓夢がソファーに寝転んだまま顔を少し上げて二戸 梨杏の姿を探そうとしている。




中村先生が「いい加減にしろよ!」と怒鳴りバシンッと勢い良く冷却シートを拓夢の目に貼り付けた。




「ヒエッー、冷たいよ!ってか、兄さん、使用上の注意事項を良く読んだ!?これって、……目に貼り付ける物じゃ、ないよね?―ん、何も見えないよ……」



中村先生が拓夢の顔を見た。



――無邪気な拓夢の顔が少し羨ましく思える。




拓夢と二戸 梨杏、まだ付き合い始めてもいないこの二人が凄く羨ましい。


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