晴れ時々@先生の妹【第2巻】
中村先生が拓夢の寝顔をじっと見つめる。
――拓夢と俺、お互いがまだ小さかった頃を思い出した。
昔、俺は寝ている拓夢に良くイタズラをしたことがあった。
指先に少し力を入れて拓夢の瞑っている両目を指でこじ開けてみる中村先生、拓夢の顔がただ剽軽になるだけで起きる気配がない。
「おい、拓夢。拓夢、起きろよ!まったく……、コイツ・………――」
気持ち良さそうに寝息を立てて眠っている拓夢の名前を何度か呼びながら体を軽く揺すってみたが、やっぱり起きる気配が全くなかった。
静かなため息を一つ落として、拓夢を起こすことをもう諦め、着ているシャツのボタンを上から順番に外しながら浴室に向かう中村先生。
――俺、拓夢、二戸 梨杏 。
俺の家の中に一気に人が増えた。
同居人が2人増えただけで、じゃっかん室内温度が僅かに上がっているように感じるのは俺だけだろうか。
静かだった俺の家。
これからどうなるんだろうな。