君との出会い
「桜ちゃん…今だけ、傍に行ってもいい?」




だめ…来たら優しさで泣いてしまう。





私は慰めてもらう権利なんてないくらい人を苦しめただから…





「私さ、小さい頃に親に捨てられたんだよね」




「え…?」





近くに来た千里ちゃんは、その場に座ると話し始めた。





「物心が付いた時はもう施設での生活が始まっていたの。
だから、私はお母さんとお父さんの顔を知らない」





「…」







「ずっとね、愛ってなんだろう、信じるってなんだろうって思ってた」





「私も……信じる、分からない。」





私がそう言うと千里ちゃんは大丈夫だよって言った





「私は周りの人みたいに親から愛をもらったことはないけど、施設の人、今友達として関わってくれる人に充分愛されてる気がするの。」



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