恋する君に恋をした
[1]華原 日和

一人だけ

14:15。

授業終了まであと、30分か。



現代文、俺が唯一苦手な科目。











俺のまわりで起きてるヤツなんていない。




みんな寝てる。




もうすぐテストなのに余裕だな。



なんてことを考える間にまた睡魔がやってきた。




.... カチャ。


突然ペンを使う音がした。



シーンとしている教室に聞こえてきた音。


俺と先生以外に起きてるヤツがいる?


俺は音のした方を見た。



その時、サァーーー。と窓から風が入ってきた。



風は校庭の桜の花びらと一緒に彼女の髪を揺らした。



俺の目には、先生を愛おしそうに見つめる彼女の姿が写った。



彼女は俺が見てきた女の中で、一番キレイだった。


そして、俺は睡魔に負けてしまった。


授業が終わるまで、あと29分。
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